タイヤメーカーの「ミシュラン」がなぜ?レストランガイドブックを出版
12/1に、「ミシュランガイド東京2016」の出版記念パーティーが開催され、ラーメン店として、世界初の「一つ星」になった「蔦(つた)」が話題を呼んでいます。
開店前から行列ができるほどの「Japanese Soba Noodles 蔦」の代表メニューは「醤油そば」。
生揚げ醤油をメインに本醸造醤油と白醤油をブレンドした芳醇な醤油ダレを使用し、最高級の黒トリュフオイルと黒トリュフソースが添えられた至極の一杯なラーメンだそうです。
黒トリュフというだけで、普通のラーメンとは違い、「ミシュランガイド」に選ばれそうな感じですね。
ところで、この「ミシュランガイド」。
フランスのタイヤメーカーの「ミシュラン」がなぜ?
レストランガイドブックや旅行ガイドブックを出版しているのでしょうか?
実はこれには、タイヤメーカーならではのマーケティングが秘められいます。
それでは、なぜ?フランスのタイヤメーカーの「ミシュラン」がレストランガイドブックや旅行ガイドブックを出版するようになったのかをご紹介します。
昔からあるマーケティング。それがコンテンツマーケティング
最近、インターネットで、売り上げをあげている企業が実施しているマーケティング。
それは、コンテンツマーケティングです。
コンテンツ?
マーケティング?
何か真新しい言葉にも感じますが、実は、100年以上前からある営業手法です。
フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が行った営業手法が有名です。
1863年に設立されたBarbier, Daubree et Cieという株式合資会社が、1889年にミシュラン兄弟の名前を冠したMichelin et Cieとなります。
これがフランスのタイヤメーカー「ミシュラン」の始まりです。
1890年代前期には、発明されたばかりの自動車用に耐える空気入りタイヤの実用化に取り組んで成功を成し遂げます。
世界で初めてラジアルタイヤを製品化したのも、この「ミシュラン」です。
そんな「ミシュラン」が、1900年にある営業戦略を考えます。
自動車のタイヤを売るためには、自動車をもっと普及しなければならない。自動車が普及すれば、タイヤの販売も伸びるはずだ。そのためには、もっと快適なカーライフをみんなに知ってもらうことが必要だ。(※実際にこのようなことを発言したかは不明)
と思い、考えついたのが、自動車旅行の活性化です。
自動車旅行の活性化をするために、自動車旅行に役立つ地図を制作し、配布することにしました。
これにより市民が自動車旅行に興味を持ち、それに伴い自動車が普及し、そして、タイヤの売れ行きが上がると考えたからです。
「ミシュラン」のコンテンツマーケティングの始まりです。
ユーザーに役立つ情報を提供
「ミシュラン」は、この自動車旅行に役立つ地図を400ページにわたり制作しました。
内容は、郵便局や電話の位置まで示した市街地図、都市別のガソリンスタンドやホテルの一覧、さらには自動車の整備方法などです。
そして、3万5,000部を無料で配布しました。
これが、市民に大好評。
「ミシュラン」は、随時、最新版が刊行し、ドライバーに役立つ情報を提供するとともに、宿泊施設や食事に関する情報もどんどん増やしていきました。
これがのちに、皆さんもご存じの「ミシュランガイド」になっていきます。
ファンを増やし、集客につなげる、おもてなしコンテンツ
「ミシュラン」が行った戦略は、タイヤの消費量を増やすための手段を考え、後に、タイヤの販売につなげるという方法です。
そのために、自動車旅行に役立つ情報を提供し、市民にその情報のファンになってもらい、タイヤの販売につなげました。
まさに、現代のコンテンツマーケティングと同じ手法で、価値のある情報を提供し、ファンを増やし、集客につなげるというものです。
また、「ミシュラン」の戦略には、マーケット全体を拡大することにより、自社の業績拡大を狙うということも考えられています。
遠回りな販売戦略だと思うかもしれんませんが、顧客に対して売り込みがない、とても良い営業方法です。
営業マンが嫌われるのは、興味のないものを無理やり売り込むからです。
「ミシュラン」の戦略のように、商品を売り込まず、お客となりそうな見込み客に、価値のある情報を提供し、ファンになってもらい気に入られることで、自社商品の購入に結び付けることが重要です。
これが、コンテンツマーケティング。
おもてなしコンテンツとも言えるかもしれません。
コンテンツは地味に継続させることが重要
「ミシュラン」の戦略が成功したのは、随時、最新版が刊行させ、いろんな情報を追加、更新したことにあります。
その結果、本業のタイヤも売れ、また、タイヤとは関係がない、レストランガイドブックや旅行ガイドブックなどの販売でも成功するようになりました。
「ミシュラン」の戦略でもわかるように、コンテンツを地味に継続させ、いろんな情報を追加、更新することが重要です。
また、お客様が求めている情報や悩みごとの解決策を日々分析する必要もあります。
これらには、時間も経費も掛かりますが、地味にコンテンツを見直し、改善、追加を行うことで、その先には必ず成功が待っています。
継続的にコンテンツ制作し、また、継続的にコンテンツを改善することが成功への近道となります。
コンテンツマーケティングを理解し、営業戦略の一環として、是非、取り入れてみてはいかがでしょうか?
今後の参考になれば幸いです。
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